数年前のことです。小学1年生の時から月2 回の個別指導に通い始めた A くん。お家の方 からは、読み書きなどの学習の土台となる内 容をご希望とのことでスタートしました。
個別指導を始めた頃の A くんは、文字を書 くときに、筆圧が安定せず手首を柔軟に動か すことが苦手な様子でした。A くんはお家で はゲームをしたりブロックで作品を作ったり するなど好きなことに熱中して楽しんでいる とのことでした。そこで A くんの好きなキャ ラクターを教えてもらい、その絵の上から半 透明の用紙を重ねて鉛筆でなぞることを始め ました。その他に A くんは体を動かすことも 好きな様子でしたので、バランスボールを使っ て体幹を意識した動きや、手首を使ってリボ ンをクルクルと回す動きなどを机上の活動と 並行して続けてきました。
また、体や手指 を使う経験のために、お家の方のご協力のも と、様々なお手伝いにもチャレンジしてもら いました。A くんはお手伝いをした毎にもら うシールをためて、好きな絵柄の缶バッチを 何個ももらうほどの頑張りようでした。
そして2年生になったある日、絵の線なぞ りを行った A くんは、手首を滑らかに使い、 程よい筆圧で仕上げていました。私は「すご いね!」と言いながら今までの A くんの頑張 りを思い出していました。その時のAくんの 笑顔は最高のキラリンでした。(スタッフ 高田由美子)
(フトゥーロ通信2022年度2号より再掲)