自己理解を深め、苦手なことにも楽しみながら挑戦しています。
小学校4~6年生男女4名、1回90分のグループです。保護者のグループ指導への希望は大きく分けて3つです。①コミュニケーションスキルの向上 ②感情コントロール力の向上 ③身の回りの整理整頓や持ち物管理などのスタディスキルの向上 です。お子さんの様子や指導に希望されることはグループ指導開始前に状況確認アンケートや、4月の面談で伺います。そして、子どもたちにも「自分調べ」というアンケートで今の自分の様子をチェックしてもらい、その中から「自信があること」と「これから頑張りたいこと」を選んでもらいます。そのアンケートをもとに、子どもたちに必要な課題を指導の中に組み込みます。中高学年グループですので、自己理解が挑戦や自己支援につながることを大事にしています。
グループでは、子どもたちは話し合っていろいろなことを決めます。発表の順番決めなどすぐに決まることから、どのゲームで今日は遊ぶか等、少し時間がかかることまで話し合いのテーマはいくつかあります。話し合いをたくさん経験することで、友だちの言いたそうな表情を意識したり、声が重なった時に「順番に言ってください」など交通整理をしたり、場の雰囲気を感じ取って「そろそろまとめていいですか」と言えるようになったり等、状況判断力もついてきます。話し合いの中心となる人を「リーダー」と呼び、「話し合いのシナリオ」を見ながら、その通りに進めます。初回はスタッフがリーダーになり、2回目は人前で話すことが得意な子がやりといった感じでスタートします。年間4~5回はリーダー役が各自に回ってきますので、話すのが苦手な子もリーダーを経験します。
人前で話すのが苦手で、意見がなかなか出せないAさんは、自分でも「できれば黙っていたい。でも何とかしたい」とアンケートに記入していました。そんなAさんが話し合いリーダーになると予定されていたときには、保護者と連携をとり、「グループのあとでおいしいものを食べに行こう!」と約束してもらっておき、無事にリーダー役を務めてくれました。
←話し合いのシナリオ
楽しい指導場面で感情が爆発することはないため②の感情コントロールは、リアルタイムで指導することはできませんが、お子さんから学校や家庭での様子を聞き取り、どうしたらよかったか、と振り返りをしつつ対策を練ります。指導では、いらいらした時のためにヨガの呼吸法を練習中です。③の持ち物管理は、いかに管理しやすいグッズや工夫をするかを一緒に考え、一泊二日のキャンプで持ち物管理名人を目指す予定です。
この春、高校生になった卒業生の保護者からは「中学では生徒会に立候補して全校生徒の前で立候補演説をしたんですよ」と嬉しい連絡をいただきました。その子もSSTを始めた当初は人前で話すことがとても苦手でした。今年度参加している子どもたちにも、苦手なことに関して少しずつ成功体験を積んでほしいと思っています。(スタッフ 三島)
フトゥーロでは、お子さんの課題に合わせた活動を、メンバーとスタッフを固定して通年で行っています。こういった場にご関心おありでしたら、お問い合わせください。