Aくんは楽しいおしゃべりでグループを盛り上げてくれる元気な 3 年生。話を聞いている時にピピッとひらめきの風船が膨らみ始めると、誰かに伝えずにはいられません。隣の席に体を寄せ、後ろを向いて話に夢中になると指導者の声は届きません。『シャッフルことば』という文字の並べ替えの課題では、正解の「しんかんせん」が分かると、答えるよりも前に「新幹線の中ってゲームの充電もできてね…」と話が始まります。そこでAくんが話したくなったタイミングで、指導者が郵便受けのイラストを提示して、今は話を聞く時だから話したいことは一旦郵便受けにしまっておこうと提案しました。
「話は相手を見て黙って聞く」と答えてくれたAくんでしたが、いざ行動するとなるとそう簡単ではありませんでした。
このAくんを支えてくれたのがグループのメンバーです。グループの一人一人が話の聞き方、集中して取り組む力を伸ばしたことに加えて、Aくんが指導者から示される個別の目標をみんなも共有し、Aくんがみんなに話し掛けてきた時には、行動で彼の気付きを促してくれていました。回を追う毎に仲間意識が芽生え、それぞれの得意なこと、苦手なことも心得て相手を尊重したり応援できるようなキラリンと輝くグループに育っていったことを感じます。
これからもAくんの成長が楽しみです。
(スタッフ 早坂美奈子)※フトゥーロ通信より抜粋