小学校5年生A君の個別指導での読み書き練習の様子を紹介します。
A君は小学校2年生の時に医療機関で読み書き障害の診断を受けています。現在、1000文字程度の文章の音読読解、タブレットを使った作文、漢字の学習をしています。テレビやYouTubeで得た情報を引っ提げて登場する博学王です。最近は体の仕組みや免疫、細胞に興味を持ちマイブームのようです(動画「働く細胞」を良く見ています)。
読解練習は多少の勝手読みがあっても、大意をつかむことと口頭での正解率100%を目指し、答えに詰まったら何度も本文を読み返すことや、その時に自分で大切だと思った単語に印をつけることを練習しています。半年前は読み終わると「頭の筋肉が疲れすぎた。問題までやる筋力が残っていません」とギブアップしていましたが、今は余裕で読み通すことができるようになりました。とは言うものの、教科書はスラスラとは読むことができませんので、教科書の読解にはお家で読み上げ機器(*アクセスリーディング)を使って読解練習をしています。
作文は文のタイトルから考えられることを語り、その内容をタブレットを使って文章にする練習をしています。例えば「アレルギーがおこるのはなぜ?(タイトル)」という問いに、A君は『B細胞が杉花粉アレルギーを殺すのだが、その時ヒストミンを出す。花粉症に強い人はこの段階で終わる。弱い人はヒストミンを出しすぎてしまい、その多さによってくしゃみや鼻水が止まらなくなる。それがアレルギーだよ。』と説明してくれますが、書くことはできません。言いたい(話す)スピードとタブレット(ひらがなフリック入力)のスピードが一致せず苦戦しながらも、言いたいことが文字になる面白さを体験しているところです。
漢字学習は、将来の夢=寿司屋という彼の希望に沿って、寿司漢字に絞り、複雑な漢字を知っている漢字に細分化しながら覚える工夫をしています。「土の右上にヌで左に大臣の臣ちゃんが来た鰹」など、毎回3文字覚えて、次の回にテストをして定着させています。
高学年となり、自分の得手不得手を見極め、自分で頑張ること機器に頼ることの調整をしながら学んでいるところです。
*アクセスリーディング:読みが苦手なお子さんが利用できる教科書の読み上げデータ支援。詳しくはインターネット検索:Access Reading
このように、フトゥーロの個別指導では、基礎的な学習と、機器を使った学習を併用しながら、苦手さがあっても、そのお子さんなりに学習に取り組んでいけるよう支援しています。(スタッフ:三島)